楾さんの著書『檻の中のライオン』(かもがわ出版2016年)を遅ればせながら拝読。おべんちゃらでなく、わかりやすい!「ライオン=国家権力」、「檻=憲法」の比喩でここまで憲法や政治の森羅万象を説明できるのか、と再発見でした。

ただ単純に、「権力=悪、だから閉じ込めておこう」という話ではありません。子どもや中高生だけでなく、大人が読んでも楽しめる、なるほどと考える、様々に政治を思い返させる、そんな本です。

最新刊『檻を壊すライオン』(かもがわ出版、2020年)では、公文書破棄、解散権の乱用、国会召集の拒否など、過去10年間ほどを対象に、政治権力による憲法違反が具体例とともに説明されています。

その多くは安倍政権による憲法違反ですが、立憲主義、すなわち「権力を持った勢力は一定のルールの下に服せ」という要求は、今後の定期的な政権交代の時代を見据えて、将来の立憲民主党政権に対しても向けられることでしょう。だからこそ大事な原則だと、私も確信します。